日本に滞在中にネコたちの世話をしていただいた方々を、お礼のため拙宅での食事にご招待した。そこで年末に習ったところの変わり蕎麦を披露した。練習台にした、とも言う :)。モノは茶蕎麦と胡麻切り。メインディッシュは喜久美さんの料理。
さて変わり蕎麦の出来は…
美味しい。胡麻切りは思ったほど香りが出なかったけれど、更科の淡い味わいは十分。茶蕎麦は香りも good! しかし麺が短く切れてしまい、蕎麦としては寂しい。それから、香りと仄かな甘みが命だけに、汁にどっぷり付けてしまうとそれが損なわれるのが良くわかった。
ベースは更級の二八(内二)。sobako.co.jp の古川製粉で購入した更科粉 500g に Whole Foods で買った pastry flour を125g(これは強力粉?)。湯捏ねの方法は習ったのと同じで、蕎麦粉全量に分量の水を全て沸騰させたものを加える方法。水の分量は、教室と同じ加水率53%に蒸発のロスを10%足して58%。蕎麦粉の上に熱湯を注いでかき混ぜる道具として、教室ではしゃもじを使ったが、今回は「片倉康雄:手打ち蕎麦の技術」で紹介されていた方法、ステンレスの泡立て器を使った。扇風機で冷やす。教室と同じ量の水を使ったのに今回はちょっと多加水気味。湿度か、粉か、それとも沸かす容器でのロスの少なさか。それほど苦労せずに面が出てきて捏ねるのは楽だった(これが落とし穴だったのかもしれない)。更科の扱いはスピードが命、ということで以降のプロセス含め手際に気を使った。
捏ね上がった(と思った)のでドウを二つに分けて、ラップしておく。粉に対して2%量の黒胡麻を煎り、油が出ない程度に軽くすり潰す。それをドウの片方に加えて軽く練って、またラップ。次は粉に対して2%量の抹茶にその量の200%の水を加えて練り、それをもう片方のドウに加えて練る。ラップしておく。
胡麻切りから麺にする。多加水気味で延びること延びること。注意しないと麺帯が薄くなりすぎてしまう。胡麻が入っているので、厚めに仕上げなければならないのだけれど、ちょっと薄すぎか。ともかく太めに切る。茶蕎麦は薄め、細めに。ここで一番困ったのは、切った麺が、口開けするまでに隣同士くっついてしまうところがあったこと。打ち粉は十分のはずだから、やはり多加水気味なのが祟っているのかもしれない。無理に引き離そうとすると、麺に力がないので切れてしまう。
そして茹で。まず胡麻切り、そして茶蕎麦。ここで難しかったのは、一人分ずつ茹でるために、舟から一定量を取り分けること。麺が弱いので至極取り分けにくい。深さのある容器ではなくて、板か何かの上に切った麺を載せておいて、そこから横滑りに鍋に投入するような工夫が必要か?茹で時間は15から20秒くらい。実は教室で習った時は新幹線の時間の関係から、茹でに入る直前で教室を出なければならなかった。そう、茹で方を習ってないのよ。
ともかく茹でて、水に晒し、氷水で締める。で、取り分けようとしたら、茹でる前は長く切れたと思っていた麺が、あらあら短く切れている。最初は全体を盛ったのだけれど、途中からは指でつまみ上げて、そこに引っかからない短い物はロスとして除外した。胡麻切りに比べて、細いにも関わらず茶蕎麦の方が比較的に切れていない物が多い。やはり胡麻切りは薄くしすぎたかな。
汁は、今回は日月菴の薄削りによる即席辛汁の方法。ただ、食べてみて、ちょっと汁が強いような気がした。更科には「手打ち蕎麦の技術」にあるような、日本料理的に出汁を取った、すっきりとした汁がいいのかもしれない。
反省点と課題:やはり捏ねが一番の問題か。多加水気味で比較的早くドウに面が出てきたが、その段階では捏ねは終わっていなかったのかもしれない。「手打ち蕎麦の技術」によると、片倉氏は捏ねはミキサーを使ったようだ。問題点を洗いだすため、一度クイジナートでやってみるか。それから、どうも茹での段階で切れた麺も多いように思った。ここも課題かもしれない。風味的には、胡麻の香りをもうちょっと出すこと。違った味の汁を試すこと。
さて、喜久美さんの作ってくれたメインディッシュのメニューはこんな感じ:
おせち数種(これは実家から)
いんげんのオリーブオイル&海苔和え
半熟煮玉子香菜ねぎのせ
鶏肉のたっぷりねぎのせ
大根と手羽肉の炒め煮
豆乳プリン黒みつがけ
美味しいクレームブリュレ(お客さまから)
プリン(緑色の!)(お客さまから)
Sierra Nevada の Celebration Ale
蕎麦茶
どれも美味しかった。「鶏肉のたっぷりねぎのせ」は特に蕎麦に合った。
ごちそうさまー!
p.s. 最近ぱろある亭のタイトルの色を変えたけれど、これは茶蕎麦色のつもり。