漢字で書くと開城、ケソン。韓国料理の奥深さを嬉しくも知らしめてくれる店。
去年の9月、ある食べ歩きの会でこの店を知った。その時の驚きは今でも忘れない。この時のレポートを私が書いたので、少し長いがそれを引用する。
一昨日行った時に、ビビンパを頼んでみた。出てきたボウルにはご飯が入っておらず、まるでサラダのよう。揚げた(?)昆布が載っているのが目につく。どのようにして頂けば良いのかわからなかったので、素直に給仕さんに聞いたら、やって頂けた。別に来たご飯を入れて、ごま油をたらり、コチュジャンを好みの量。そして、普通のビビンパのようにひっくり返しながら混ぜると、ご飯一粒一粒に油が回り、照りが出る。そうしたら出来上がり。ごま油がお米と生野菜(そう、生野菜が入っている)の間を絶妙に取り持ってくれる。揚げ昆布の旨味。爽やかな香り。旨いよお。
ボッサムキムチも頼んだ。ここのキムチは酸っぱめ、かつ他に比べてさっぱりとしている。これを食べて気づいたのだけれど、Gaesung House of Tofu の料理はどれも、微かに果物的(上で言うエステル系)な爽やかさがある。
食べていて、お隣の国の料理のこんな側面を今まで知らなかった自分の不明が少し悔しく思えた。
さて、場所と営業時間は Pamela's Restaurant Guideにも紹介してあるので、そこをご参照ください。ここにはビビンパの写真もある。
おまけ:開城料理をググってみたら、いろいろ出てきた。ソウルのレストラン「ヨンスサン(龍水山)」のページには「開城料理は視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚など五感で楽しむ料理なので、刺激的な味付けではなく、豊富な味をそのまま楽しめるのです」とある。同じくソウルの開城マンドゥ(饅頭=餃子)専門店「宮(グン)」。ここにある餃子、同じ物が Gaesung House of Tofu にもありました。なるほどこうやって食べるのか。それから雪だるま型のお餅も。このページは写真がきれい。大象旅行者のページには韓国各地方の郷土料理の特徴が載っていた。検索して見つかったのは殆ど韓国のお店の情報だけれど、日本にも一つ見つけた。新大久保と東新宿にある「 開城家 」。
いや、今日行った韓国料理屋さん、Gaesung House of TOFU はホント二重丸でした。こんないい雰囲気の、そして滋味溢れる料理を出してくれる、韓国料理屋さんがあるんですね。よくある普通の韓国料理屋さんと異なり、焼き肉屋さんではありません。韓国料理に対するステレオタイプな見方を崩してくれます。ここでは韓国料理の新しい発見がありそう。
店名の Gaesung の由来はHさんの紹介を引用しておきましょう:
> Gaesungとは、現在の北朝鮮領にある、高麗時代の首都、開城(ケソン)の事。
> 昔から食べ物が美味しいといわれる町で、そういえば、ベトナムのHueといろい
> ろ共通点が多いですよね。(ムリヤリか?)なお、サムゲタンも、開城の料理で
> す。
さて、今日の参加者はK主宰、Aさん、Hさんと私の4人。Hさんおすすめの夏季限定メニュー「朝絞り立ての冷たい豆乳のカルククス」を3つ。メニュー上の名前はこんなマーケティング的 :) な名前ではなかったんですが、名前を覚えていないんですよ。単にカルククスなのかな。ランチメニューの下から2番目、です。済まぬ。それから店の看板メニュー soon tofu(Hさんは「スンドゥブ」と発音していた)を一つ。
「朝絞り立ての冷たい豆乳のカルククス」は、絶品でした。いや、決して派手な味ではないので「滋味溢れる」がより良い言葉かもしれませんん。おそらく調味されていないフレッシュな素の豆乳に、小麦のもちもちしこしこが素晴らしく生きている、注意深く茹でられて氷水で絞められた素麺、細く切られたキューカンバーではないキュウリ、それから白玉をもう少し小さくした形のもちもちしたモチ玉。んー、もう一つくらい何か乗っていたと思いますが、まあそのくらいの素晴らしく単純な、怖い一品。これに、結晶の大きい塩を自分で加えて調味して、いただきます。塩の量は給仕さんにアドバイスを求めました。
まず、その豆乳が素晴らしく香り高いのに気がつきます。豆乳って絞り立ては本当に良い香りがするんですよね。フレッシュな果物的な、仄かなエステル系の香りというんでしょうか。麺を口に含むと、もちもちしこしこの、良い素麺を注意深く扱ったものであることに気がつきます。食べ進むと、先ほど入れた塩がちょっとずつ溶けてきて、味が変化して行きます。時々麺とキュウリを一緒につまんだり。最後の方になると、下に沈んだモチを嬉しくも発見したり。この単純な一品にドラマが潜みます。そして、この豆乳はぜひ飲んでしまいましょう。もったいなくて残せません。 ちなみに、このメニューの下に、この素麺を蕎麦と置き換えたと思しきメニューがあります。これよりも素麺版の方がお勧めだとHさん。でも蕎麦と聞いては興味があるぞ。
そのHさんの注文したのは店の看板料理の「soon tofu(純豆腐/スンドゥプ)」。これは一言で言うとくみ上げ豆腐の辛い鍋。具は数種類から選べるのですが、肉と豚のオリジナルを選び、辛さは4段階ある中の下から2番目を選びました(よね?)。一人分の大きさの石鍋にぐつぐついいながら出てきます。香りと音が食欲をそそります。ここに卵を割って投入。軽くかき混ぜると温度も下がって食べごろに。構成は豆腐チゲと似ているんですが、軟らかい汲み上げ豆腐が細かくなって、スープと一体となって楽しめるところに、この品のアドバンテージがあるように思いました。他の具も、一緒に啜れる程度の存在感だったように思うので、これは意図的な設計でしょう。
味は、濃厚なスープにふわふわの豆腐が良く合う。実に旨い。しかし、目の前の豆乳素麺に夢中で、それ以上覚えていないのが悔やまれます。今度行ったときにはこのスンドゥブをじっくり楽しもうと思います。スンドゥブには、韓国料理で嬉しい数々の総菜が付いてきます。キムチは、濃厚な味というよりはさわやかな酸味の逸品。老酒が入っていると思しき漬物も。それから、コンビーフのような肉もうまい。
さて、最後に、この店のもう一つの魅力は、とても上品なたたずまいの店のマダムでしょう。質問にいろいろ教えてくれました。素麺は、豆乳に入れてからものびるので、軽めに茹でて、氷水で絞めるのが秘密だとか。私が豆乳を飲み干したのを見て喜んでくれました。
一昨日行った時に、ビビンパを頼んでみた。出てきたボウルにはご飯が入っておらず、まるでサラダのよう。揚げた(?)昆布が載っているのが目につく。どのようにして頂けば良いのかわからなかったので、素直に給仕さんに聞いたら、やって頂けた。別に来たご飯を入れて、ごま油をたらり、コチュジャンを好みの量。そして、普通のビビンパのようにひっくり返しながら混ぜると、ご飯一粒一粒に油が回り、照りが出る。そうしたら出来上がり。ごま油がお米と生野菜(そう、生野菜が入っている)の間を絶妙に取り持ってくれる。揚げ昆布の旨味。爽やかな香り。旨いよお。
ボッサムキムチも頼んだ。ここのキムチは酸っぱめ、かつ他に比べてさっぱりとしている。これを食べて気づいたのだけれど、Gaesung House of Tofu の料理はどれも、微かに果物的(上で言うエステル系)な爽やかさがある。
食べていて、お隣の国の料理のこんな側面を今まで知らなかった自分の不明が少し悔しく思えた。
さて、場所と営業時間は Pamela's Restaurant Guideにも紹介してあるので、そこをご参照ください。ここにはビビンパの写真もある。
おまけ:開城料理をググってみたら、いろいろ出てきた。ソウルのレストラン「ヨンスサン(龍水山)」のページには「開城料理は視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚など五感で楽しむ料理なので、刺激的な味付けではなく、豊富な味をそのまま楽しめるのです」とある。同じくソウルの開城マンドゥ(饅頭=餃子)専門店「宮(グン)」。ここにある餃子、同じ物が Gaesung House of Tofu にもありました。なるほどこうやって食べるのか。それから雪だるま型のお餅も。このページは写真がきれい。大象旅行者のページには韓国各地方の郷土料理の特徴が載っていた。検索して見つかったのは殆ど韓国のお店の情報だけれど、日本にも一つ見つけた。新大久保と東新宿にある「 開城家 」。