これはスグレモノ
喜久美さんがこれを買おうと言った時、正直言うと、そんな物が無くてもダシは取れる、と思ったのだが。手に入れてみると、実に良い物だった。
1. まず、お茶を入れる気軽さでダシが簡単に取れる。網に昆布のかけらと鰹節を入れ、お湯を注いで一分。
購入前にもこの手順は読んだのだけれど、鍋でダシを取る場合に比べて、どれほど手間が少ないか実感が湧かなかった。しかし実際にやってみると想像以上の違いがある。鍋の場合、用意する物は、鍋、濾すための網、濾されたダシを受けるボールか別の鍋、鍋に目盛りがない場合水の量を量るカップ、の4つ。だしポットの場合、お湯とだしポットの2つ。お湯は、お茶を入れるための用意と共通化できるし、そうでなくてもやかんはコンロの上に常駐している場合が多い。事実上、必要なのはだしポットのみ。
片付けは差がもっと大きい。鍋で取る場合、使うものの大きさがそれぞれ大きいのだ。それらを濯ぎ、そして濡れている間それらがキッチンのどこかを占領することになる。
この差は想像以上に大きかった。
2. おいしいだしが安定して取れる
いくら簡単でも、おいしくなかったら、このポットを冷たくあしらっただろう。しかし、このポットで取っただしは、おいしいのだ。そして安定しておいしい。これが私の場合、鍋で取った場合との違いだ。
鍋で取ると、自由度が大きいだけに、いろいろ工夫してみたくなる。時間のある時には昆布を前の晩から水に入れておいたり、鰹節を入れてからの火加減を変えてみたり。結果、とてもおいしく取れる時もあるけれど、さほどでもない時もある。そして、バランスや濃さが毎回違う。自分の、決まった方法が確立できていればいいのだが、ついあちこちの料理本のいろいろな方法をつまみ食いしてしまう。
安定しておいしいと、その味を覚え、却ってその上で工夫がしやすくなると思う。
このだしポットがうちに来てからというもの、お味噌汁の味が良くなったし、登場回数もグンと増えた。お味噌汁が好きな私には嬉しいこと。お茶漬けを作るのと同じ手間でだし茶漬けも作れる。これもうまい。