サイボウズという会社が出したオンラインRSSリーダ feedpath というサービスを使ってみた。何たって画面を見たとたん一目惚れしたのだ。ヒラギノ書体をちゃんと活用したウェブなんてそうざらにない。
これを作っている人のブログで案内があったので、また一つこの手のものが増えたな、と最初は単に覗きに来ただけのつもりだった。ところが、画面がやけにすっきりカッコイイ。今までにない感覚。あれ?あれれれ?これ本文がヒラギノ丸ゴシックじゃないか?こっちのタイトルは角ゴのW8。なんだこりゃー!!
ご存じのように Mac OS X の日本語書体にはヒラギノのゴシックや明朝の通常の太さのみならず、明朝には太字、ゴシックには太字と極太字が揃っている。なぜかというと画面上に情報を効果的に提示するのに必要だから。プレゼンとか文書とかがカッコ良く見やすくできるのだ。ちゃんと太字としてデザインされた文字だから美しい。アルゴリズムで太らせた醜い太字とは訳が違うのだ。それから明朝やゴシックよりも親しみやすくて明るい丸ゴシックもある。すごいんだから。
でもそれを画面の見やすさに活用したウェブページは今までに見たことがなかった。あるのかもしれないけれど(教えて)。それでこの feedpath を見たとき驚愕してしまった。おかげさまで今日一日なんだか嬉しかった。
と本題に戻って、もちろん早速ユーザー登録しました。私はあまりいろいろなサービスを率先して試す方ではないのだけれど、使ってみようって気になった。
で使った感想。うーん。なんだか練れてない。
こんなのタグとは言わない
一番ビックリしたのは、タグだと書いてあるのに、一つのサイトに複数のタグをつけることができず、つまり単なるフォルダ分けしかできないこと。ソーシャルタギングだのFolksonomyだのと用語をちりばめる割には、あきれた仕様。複数ラベル付けの意味と威力が分かっていない?流行の用語に表面上乗ってみただけか?自分の付けたタグはどこ
個々のフィードにつけるタグって単に世のため人のため? あるフィードにタグを付けようとしても、そのタグが既に付けられている場合、単に無視される。人がそれにあるタグを付けたことと、自分がそのタグを付けたこととは別のことではない?やたらクリック数が多くなる
簡単なことをしたいだけなのに、気がついたらマウスをクリックしなければならない回数がとても多い。例えば、なぜエントリは最初閉じていて、クリックしないと読めないのか?ajax の可能性に溺れてしまっていないか?あとは、色々細かい点:
・お願いだから広告はページによって左とか記事の間に置くのではなくて、右端だけにして
・クリックターゲットがクリックに反応しない
・応答時間。サーバや UI コードのパフォーマンスの問題もあるだろうけれど、どうしても時間がかかってしまうならそれを気持ちよく待ってもらうのも UI の工夫ってものだ。
・頻繁に使う機能と、おそらく一度しか使わない機能とが同列に扱われている。例えば「Feedを 追加|編集|更新|import|export」。ま、今の時期は多くの人が import を使うだろうから、今ここにあるのは意味があるとは思うけれど。そこまで考えたデザインと言うよりは、単に可能な操作を並べただけではなかろうか。現に一度使ったら、import は単に画面のゴミである。
・フィードの横のチェックボックスはなに? ヘルプを見なさい、かな。
と色々書いたが、最初に惚れさせたから、ここまで来たのだ。こんなに文句を言いながらまだ使っている。これは愛だ。
対照的に、とこう書くとそれを作っておられる方々と直接お会いしたことがあるだけに言いにくいのだが、「はてな」のサービスには何度か接近したのだが、未だにちら見以上に試していない。「はてな」は私の尊敬する IT 企業の一つだ。他にない創造的なサービスを提供しておられることを知っている。それなのに、使うに至っていない。なぜか考えたこともなかったけれど、考えてみよう。