奈良と京都で用事を終えた翌日、思ったより暖かかったので買い物をかねて散策をすることにした。今回の京都は一人なので、気まま。さて、どこに行こうか。
御池にあるホテルをチェックアウトしたあと、ふと思いついて、まずは知恩院の近くの一澤信三郎帆布さんへ。途中鴨川を歩く。
一澤帆布の黒いトートバッグを通勤にも旅行にも使っているのだが、旅行にはもう少し容量が欲しい。けど、どんなものを買うか考えがまとまらずに退散。今度はちゃんと考えてから来よう。写真は娘に似合うなと思った小さなリュック。
白川沿いに四条河原町へ。この辺りは石畳で風情がある。

ここらへんに15年以上前に何回かお世話になった「しぐれ茶屋 侘助」という料理屋さんがあったのだが、まだあるだろうか。そう思いながら歩いていたら、あった。よかった。昼はやっておられないのか、残念ながら閉まっている。あの時のとてもしっとりとした京都弁を使われる女将さんはまだおられるだろうか。

四条大橋のたもとに井筒八つ橋のお店があって、上が茶店になっている、小腹が空いていたのでここで休憩。生八つ橋を火鉢の上で焼いて、あんこをのせて食べる「やきやき」というものを注文。

お餅のようにちょっとぷくっとふくれて、ちょっと焦げ目が付いたところを拾い上げて食べる。美味しい。生八つ橋自身が甘く、餡と合わせるとちょっと甘すぎるので、もっぱら八つ橋だけをいただいた。一枚一枚焼きつつ、お茶を飲みつつ、この先どこへ行こうか調べものをしながら、ゆーっくり時間を過ごす。

次のお目当ては嵩山堂(すうざんどう)はし本さん。そこに向かう途中にちょっとすてきなものを見つけたので、喜久美さんにプレゼントに。そうそう、お年玉のために新札を手に入れるのを忘れないでおこう。四条通で銀行に立ち寄る。
新京極商店街のロンドンヤで、今川焼き自動製造機を発見!と思ったらロンドン焼というらしい。ピタゴラスイッチみたいでおもしろい。でもなぜロンドン?
嵩山堂はし本さんでぽち袋を購入。ぽち袋は素敵なデザインのものが多くて、いくつも持っている。この柄はすごくいい。

母に正月用のお箸入れを購入。

ぴょんぴょん堂さんにも寄っていきたかったが今回は割愛。
ちょっと戻って錦市場。師走の錦市場は大変な賑わいだ。上の看板を見ながら歩くと、それぞれの店の特色がわかりやすいことを発見。同じ魚屋でも、若狭ものだったり、川魚だったり。

京都鶴屋さんで義母の好きな鶏卵素麺を発見。義母へのお土産に購入。
伊豫又(いよまた)さんの店先、鯖寿司がおいしそう。目は欲しがっているのだが、お腹には先ほどの八つ橋が残っているので、残念ながら通過。(この顔を、店員さんがしかと見ておられたことが後に判明)

雑煮用の白みそを購入。私の家は京都にありながら、なぜかお澄ましのお雑煮だったのだけれど、やっぱり冬の白みそは懐かしいし、いいものだ。本田味噌本店のものは初めて。どんな味だろうか楽しみ。これは新米で作ったものらしい。
ぐじを母に買って行こう。ぐじは別名甘鯛。一汐ものなら若狭のを扱う「津乃弥」か(京都では若狭の一汐ものはブランドだ)。しかし、頭が味噌モードにあったのか、味噌漬けに引かれて「津乃利」で。名前がそっくりだけど暖簾分け?
ここで義弟に日本産のいいものを買う。まだ渡していないので、何かは秘密。
千枚漬けも季節だし買ってゆこう。見つけるごとに裏返して原材料を見る。昨今の漬け物は「アミノ酸と甘味料漬け」ばかりであまり買う気が起こらないのだが、錦市場でも残念ながらそういうものばかり。村上重さんの千枚漬けは確か無添加だけれど河原町まで戻る必要がある。無添加のお漬け物が近くにはないかと検索してみたら、近清(きんせ)さんを見つけた。烏丸通をわたった向こう。錦市場の中ではないけれど、西向きに歩いていたのでちょうどいい。
そこに行く途中に、紅茶屋さんを発見。母がダージリンが欲しいと言っていたのを思い出して立ち寄る。アールグレーはいかが?と試飲させてくれた。紅茶の説明を読んでいると、直接農園を訪ねて行って仕入れをしているようで、お店の見かけよりマニアックでびっくり。ダージリンはファーストフラッシュはもうなくて、セコンドフラッシュを何種類か置いておられた。どれにしようか迷っていたら、試飲されますか?と。座ってじっくり二種類、試飲させていただいて、SEEYOK農園のものをいただく。それから、キームンを弟に。これもいくつかあるので試飲させてくださった。それから最後にとてもよいアッサムの試飲はいかが?と。お店の名前は「京都セレクトショップ」。紅茶一つ一つにキャッチフレーズのような名前を付けておられる。紅茶はおいしかったが、ネーミングのセンスはどうかと思う。ここで合計5種類の試飲。30分はゆっくりさせていただいたと思う。次にはマイお茶菓子持参で来よう。
さて、丸太町を超えて、お漬け物の近清(きんせ)さんに到着。歩きつつ再確認したサイトには「野菜の生命力足る持ち味を最大限に引き出すべく、添加物は一切使用せず」とある。そうだよ、そうだよ。それにしてもiPhoneは旅行に便利だ。ここでお勧めを教えていただいて千枚漬けといくつかの漬け物をいただく。千枚漬、柚子の香千枚漬、柚子白菜、お茶漬けに青唐辛子胡瓜、そしてごぼう味噌漬。
ここまで来てお腹がすいた。何を食べよう、と思ったとたんに、先ほどの鯖寿司が思い出されてお腹が鯖寿司の形になってしまった。仕方なく錦市場まで戻る。錦市場を伊豫又さんまで戻る途中に、来たときには気がつかなかった「なれ鮨」を置いている店を見つけてしまった。魚重。ここで鮒寿司の切り身をゲット。ニゴロ鮒を使ったちゃんとしたもの。外来魚のブラックバスやブルーギルに追われてとても貴重になっている。これを共に楽しめるのは妹くらいだな。

伊豫又さんで鯖寿司。お店に入ったら、店の女の方(女将さん?)が、朝、この前を通りかかられましたね、と。なんと、覚えられている。よっぽど物欲しそうな顔をしながら前を通ったに違いない(ではなくて、さすが老舗だと思った)。ここの鯖寿司はご飯が大きい。食べてみると鯖は脂がよくのっていて酢も適当で甘く、ボリュームのあるぎゅっと締まっているすし飯によく合う。大満足。ごちそうさま!
さて、私の京都散策も終わりに近づいてきた。後は四条烏丸で前の日に見つけて気になっている唐長さんという唐紙屋さんに寄るだけ。唐紙というのを今まで知らなかったのだが、これは「こんな美しいものを今まで知らなかったとは!」ものなのだ。これだけはページを分けて書こうと思う。

そしてのぞみN700でひとっとび、東京に戻った。
近清(きんせ)さんの漬け物は帰ってきて食べたらとてもおいしかったので、早速詰め合わせを通信販売で注文した。他は年が明けてからのお楽しみ。
追記:魚重さんの鮒寿司は大変においしかった。おそるべし錦市場。ほんまもんばかり。もっと食べたい。魚重さんは通信販売はやっておられないので、去年鮒寿司お茶漬けをいただいた喜多品さんにしようか。今から間に合うかな。
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